さて、私がこのまえまで進めていたプロジェクトが10月に完了し、やっと一息つける状態になったわけですが、乗り越えてみたものの様々な反省点がある。何と言っても、プロジェクト当初からデスマーチ化することを予想し得るほどの、超短納期なプロジェクト計画に無理があった。本来は、納期というものは大概プロジェクトを担当する人間が、本来計画するもの。ただし、今回は部門の長が先に納期を決めてしまった。
たしかに、最近の市場の要求の早さから、納期をより短くしたいという経営者の考えは分かるが、とは言っても無理は禁物である。やはり、その中で様々な構造の問題を抱えたままの出荷となり、今後のメンテナンスでそれらを改善するしかない。
さて、今回のプロジェクト計画における、意思決定プロセスがいかにもインパール作戦の牟田口司令官の意思決定と類似していたことが、非常に関心深かった。様々な参謀が「司令官が言ったことだし。しょうがない」という空気を読んで、作戦を下していくという雰囲気も、似ているに違いない。そして、そんな無茶な目標に対して、帰納的計画を設定し、そして兵隊をデスマーチに送り込む。
誰が牟田口司令官を止めることができる?
それは、彼の直近の部下が死ぬ気になって止めること。
帰納的計画ではなく演繹的計画のもとに、精神論ではなく論理的な考えのもとに、机上ではなく現場主義で。そんな覚悟のある人が、牟田口司令官を止めることができるのでしょう。