2013年2月24日日曜日

上司とのつき合い方




アジャイル・サラリーマンの心得 上司とのつき合い方
 サラリーマンを10年以上続けると、様々な上司に出会います。この前は、上司が部下に対して、感情的な気持ちだけで命令を下しているケースに出会いました。私の知っているその上司は、目上の人に対しては理論武装して対峙していたのを思い出します。ですが、今回のその上司は、部下に対して「俺の立場を分かってくれよ」と言わんばかりに、苦しい状況を空気で理解をしてもらいたいようでした。
 たまに「部下と上司は平等だ」と言う人いるかも知れませんが、なかなか平等にはならないのです。上司がリーダシップのある人であり、成果を上げているのならば、その話に乗ってもいいかもしれません。ですが、今の日本企業の約80%の管理職の方は、今の状況を見る限り成果を出せていません。ほとんどの管理職の人の思いとは、会社からなるべく目をつけられず、今の役職を維持し、サラリーマン余生を自分だけは乗り切れるよう、祈っているだけの弱い生き物なのです。
 さて、「私の気持ちをあなた理解してよ」的な上司に対しても、有能な部下は(内心「このバカヤロー」と思いながらも)、友好関係を維持しつつ、決断を迫る必要があります。今回のお話はそんな上司に対する部下の振る舞い方について論述致します。

まずは共感する
 上司に対して決していきなり結論を言ってはいけません。まずは共感しましょう。論理性に欠けるだらだらした話を聞かされるのは苦痛かもしれません。ですが、早めに結論を急がないことです。上司の気持ちがほぐれてくるように、話をしっかりと傾聴することが重要です。絶対に否定してはいけません。「そうですね、部長...」と積極的に傾聴して、上司から「イエスマン」として認識されましょう。
 優れた医師はナラティブセラピーに長けているとのこと。優れた部下は、上司が話す物語を最後まで話させて、完結させるのです。さらに、「〇〇本部長(上司の上司)は結構厳しいこと言いますね〜」、「市場はやっぱり厳しいですね〜」とか、間の手を挟むことで、物語をさらに盛り上げることも必要です。

プランを提示する
 物語の中で解決すべき課題が見えくると、その課題に対する解決策を結論づけて話してしまいがちです。ですが、その行為はサラリーマンの上下関係の中では死を意味します。決してやってはいけません。解決策の正しい言い方はプランとして提示する方法します。しかも2つから3つ以上のオプションを添えて提示し、相手に選択させましょう。そして、それぞれのプランについて、メリット・デメリットを説明しましょう。
 解決策が1つしかない場合で、「グダグダ言わんととりあえずやったらええやん」と思うような場合であっても、決して結論付けてはいけません。ゼロベースで何かしらのオプションプランを探し出しましょう。どう考えても出てこない場合には、選択できないようなプランを提示するのもありです。1つめは「うんこ味の...」、2つ目は「カレー味の…」、3つ目に解決方法を提示してあげて下さい。
 上司の悩みというのは解決策が1つしかないようなケースがほとんどです。ですが、上司は決断できないのです。怖いんです。責任逃れしたいんです。そんな上司の気持ちを理解することが、サラリーマンとしての部下の努めなのです。

コミットメントする
 解決策が提示されたので、あとはそれを実行するのみです。そこで上司にコミット(宣言)させることが必要となります。が、上司の心には、まだ不安が残っています。「…のリスクが残っている。」、「...の時には失敗したから慎重にならなくてはいけない。」など、実行しないための言い訳を探し出します。
 優秀な部下は、今までのアプローチとは打って変わって、肉食系に変身します。「〇〇部長、やりましょう!私にやらせて下さい!」と、強引にアプローチします。情熱をあらわにし、声を荒げ、まっすぐ目を見つめ、上司に「やりましょう」と積極的に迫るのです。そして、上司が「お前がそこまで言うならばやってみよう」というコミットメントを引き出すのです。
 相手のコミットメントを引き出すためには、あなたのコミットメントが必要です。部下の目の中の燃え盛る情熱を見て、上司は決断するのです。それでも、上司がモジモジするようであれば、イエスマンの仮面を取って「それじゃダメだ!」と叱りつけてあげましょう。そして、M性を軽く引き出すようにdisってから、アプローチを仕掛けるというテクニックもあります。
 上司は理解してくれない部下は嫌いですが、従うだけの部下は面白くないのです。そんな上司の気持ちを察して動くのがサラリーマンとしての部下の努めです。

幽体離脱して対話する
 これまでのプロセスをストレスなく完結させるには、自分が幽体離脱してしまうテクニックが有効的です。対話とは、自分の考え(自分軸)と相手の考え(相手軸)が互いに存在します。自分の考えだけで話をすると自分勝手です。相手の考えに従うだけだと単なるイエスマンです。
 そのような対話にならないように、自分と相手とを客観的に見れる、もう一つの視点を創り出す必要があります。これが幽体離脱です。幽体離脱した場合、相手がどれだけ理不尽であっても、感情的になりません。相手からコミットメントを引き出すための情熱的な自分をかっこよく演じさせることもできる。自分という演者を監督として見るというイメージですね。幽体離脱して、常に客観的な視点で、自分と相手をコントロールして、成功のための対話プロセスを演出するのです。

サラリーマンとは実に不自由なものです。ですが、どこの組織においてはこのヒエラルキーが存在するのです。転職しようが、離婚しようが、決してこの理不尽からは逃れられることは出来ないのです。なので、そのような場面に出会ったら常に幽体離脱で切るよう、禅修行のように自分をコントロールするのが処世術かと。