2012年1月4日水曜日

緊張と緩和

お笑いの緊張と緩和
 この緊張と緩和という言葉は最近テレビでもよく耳にするキーワードでありますが、もともとは関西落語の桂枝雀さんが、「全ての噺は緊張と緩和で分類できる」という主張が最初とのこと。この「緊張」と「緩和」理論について、落語の世界を通して説明している動画がyoutubeに掲載されていたので、じっくりと見てしまいました。
 近年のお笑いは、いかに「緩和」させるかではなく、いかに上質の「緊張」を演出できるかだと思います。例えば、大晦日に放送された「笑ってはいけない」等の番組では、シュールレアリズムによる緊張と「アウト〜」による緩和と考えれば、まさにあの「緊張」の間が重要なのではないかと考える訳です。また、M1グランプリを振り返ってみても、徹底した変態キャラのチュートリアルや、徐々に盛り上がる喧嘩のブラックマヨネーズ等のコンビは「緊張」できる「場」を上手く演出しているな〜と改めて考えさせられます。桂枝雀さんは1997年にお亡くなりになられてますが、「緊張」と「緩和」は、お笑いの現場に最も取り入れられている理論だなぁと感心します。

音楽の緊張と緩和
 緊張と緩和の動画を見た上でiphoneの曲を聴いていたら、ヘビーローテーョンされる曲のほとんどが、緊張と緩和のダイナミズムがしっかり構成されている曲ばかりであることに気づきました。

例えば、ライブ曲での終盤のジャムセッションがラストのコーラスに向けて盛り上げる曲は何度聴いても脳内アドレナリンが分泌されます。最も重要なのは、ジャムセッションの質が高く、間延びしない程度の「緊張」を演出しているかだと思います。


レッチリのBy the wayなんかは、ライブじゃなくても曲自体が緊張と緩和で構成されてるため、ダイナミズムがあって、チャートインもなるほどなと感じます。

高校の時に流行ったダンスミュージックもやはり、ドラムが一定間隔で鼓動する「緊張」と、休憩時間?的な「緩和」がしっかりと構成されている曲だったなと思い出しました。

創出の緊張と緩和
古来中国の諺で、「良い考えは馬上、枕上、厠上で生まれる」と言われるそうで、ブレークスルーはリラックスされた「緩和」の中で生まれるとのこと。なるほど、私の仕事のソフトウェア開発でも、長時間かけて作ったものが全て必要なくなるくらいのアイデアは、家に帰ってお風呂に入った時に生まれたりすることが多い。様々な切り口で物事を捉えようと努めても、やはり緊張している状況では、視野が狭くなっているのでしょう。では、ずっと緩和(リラックス)すればいいのかというとそうでもない。本当に質の高いブレークスルーが生まれるためには、突き詰めて物事を考える緊張や、悪戦苦闘して実行する緊張が、過程に必要なのです。緩和しきった中での「軽い」アイデアを聴いても、聴いている人は魅力を感じないものです。

プロジェクト活動の緊張と緩和
良い作品をプロジェクトで成果を出すには、緊張と緩和のダイナミズムをチーム全体で形成する必要がある。各メンバーがそれぞれ持つ「緊張」と「緩和」の波長が、チーム全体で大きな波長になり、それは共振作用を起こし、信じられない程のパワーが生み出される場合がある。まさに「狂熱」である。このようなプロジェクトにするためには、各メンバーの波長を検知し、マネージャ自身の波長を乗せながら、チーム全体の波長に化けさせるマネジメントが必要だ。つまり、プロジェクトマネージャの目指すべき仕事とは、Excelでガントチャートを書いて報告することではないということだ。
このような考えは一般的なソフトウェア開発のPMとは異なる考えなので、私はPMにはなりたくないというのが結論。今年の春の情報処理試験は何も受けません!

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